同じ週の金曜日、例の関西人の山谷が、頭数が一人足らないらしく、歓迎会を兼ねて合コンに行こうと誘ってきた。木島には社会人になって最初の合コンだった。場所は丸の内に最近できた『カヤカヤ』という韓国料理やだった。理由は山谷は韓国料理とマッコリが大好きだったからだ。男子メンバーは樫田先輩、コネ入社山谷、自分だった。
樫田先輩は、オフィスとは違い、女子がくると妙に生き生きして、話題を次から次へとかっさらっていった。関西コネ入社の山谷は『あいつ、悔しいけどおもろいねん。あいつには負けたという感じや。関西人はウケてなんぼやさかい』と負けをみとめて、2番手の女子に狙いを定めていた。今日の女子グループはいつもの正当の青組赤組の航空会社ではなく、マイナーな外資の翼の女子たちだった。予想に反して、可愛くて、愛想が良く、青赤のように気取ってなくて、とてもいい感じだった。木島は本当に来てよかったと心から思った。