「中生もう1杯!」 先輩の樫田のピッチは速い。学生時代の体育会系”1分ジャストでストップウォッチが止められるか部”で鍛えられたそうだ。そのトレーニングは何でも1分丁度で終わらせることが求められるそうで、牛丼食べるのも一分、トイレも一分、もちろん射精までも一分ジャスト。樫田は三重県の高校チャンピオンとなり、鳴り物入りで大学に入学したという話だった。”1分ジャストでストップウォッチが止められるか”は東京オリンピックで競技種目の最終候補まで残ったが、残念ながら最後はテコンドーが選出された。「樫田先輩ってもしかするとオリンピック選手だったかもしれないんだ・・・」などとボーっと考えていると、「なぁ、白鳥先輩って色っぽいなぁ。このスクリューでいつかハァハァ言わしたいのぉ。」と山谷が欲望全開で緑色の飲み物を持って近寄ってきた。

「何なんだよ、その緑の物体は?」

「コレ、体にええねん。青汁よりええねん。モリンガ言うねん。知らんの?フィリピンでは薬のように崇められ・・・・・・」

そこで山谷の声は奥から来る大きな声にかき消された。

「今日は新人の歓迎会だ。まず部長の味噌蟹さんに挨拶をお願いして、今年の新人である木島に挨拶をしてもらう。そして乾杯の音頭はネジ部/溝計測班長の白鳥にやってもらおう」